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公務員65歳定年で「生涯賃金3000万円増」の“超官民格差”

 キャリア官僚にも定年延長のメリットは大きい。

 現在、各省トップの事務次官や長官クラスの公務員は特別に「62歳定年」と定められている。意見書では、それを最長65歳まで延長できることになっており、給料も減らない。次官なら約2200万円の年収を65歳までもらえるようになる。

「天下り」のかわりにもなる。定年延長にあたって、本省課長クラス以上は原則60歳で「役職定年」となり、次官や長官に出世できなければ「専門スタッフ職」という課長補佐クラスに降格される。しかし、その場合も年収の7割が保証される。

 年収1700万円の本省局長であれば、役職定年で課長補佐待遇に降格されても、約1200万円の給料がもらえるのである。

「今はキャリアも天下り先が減り、再就職すると待遇は現役時代の7割くらいに減る。それなら、65歳まで役所に残っても収入はかわらない。定年延長は再就職先のないキャリア救済にもなる」(労働ジャーナリスト・溝上憲文氏)

※週刊ポスト2018年8月31日号

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