中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

甲子園大会外野席が有料化、高校スポーツで金儲けしていいじゃないか

 そこには、野球観戦の楽しさに加え、高校球児の溌剌とした姿や応援団の真摯な姿なども含め、超一流のエンタメ要素があるわけですね。こんなコンテンツをライブで観戦することに対し、映画の1800円に匹敵するぐらいの金額を払うことに対して人々が躊躇するとも思えないんですよ。しかも、朝一番目の試合観戦のために入れば第4戦まで通しで観戦することもできる。その間飲食をしたりはするものの、試合観戦に対する費用もこれまで外野席はタダだった。NHKに対する放映権料も無料だそうですし、どんだけ太っ腹なのでしょうか! というか、放映権料取ってくださいよ、普通に。リオ五輪は360億円、東京五輪は660億円ですって。

 その一方、阪神電鉄が所有する甲子園球場の使用料も無料だそうですが、元々は阪神電鉄を使ってもらえればいい、という考え方が大会開始当時はあったそうで、その流れが続いているようです。要するに阪神電鉄の「男気」ってやつです。また、大会にかかわる多くの人も無給のボランティアだそうです。

多くの人々かかわりたいコンテンツは有料であるべき

決勝を戦った大阪桐蔭と金足農業のプレーは大きな感動を呼んだ(撮影:藤岡雅樹)

 また、高校野球には教育の側面があるためそんなに商業主義に走ってはいけない、という考えもあるでしょう。あぁ……、「教育」が入った途端にカネを徴収するのが「薄汚い」と考えるこの考え、なんとかなりませんかね? 全国大会出場の栄誉を勝ち得た高校に対しては主催者が規定の交通費と宿泊費を負担しますが、スタジアムの“華”たる応援団の旅費はもちろん自腹。結局OBや地元のカンパに頼らざるを得ないため、今回の金足農の緊急声明発表というような事態につながってしまうのです。甲子園出場が決まった学校は頭を下げてOBや地元企業や商店街から寄付を受け、大応援団を派遣する。

 せっかく甲子園出場が決まって嬉しいというのに、「できれば応援団は宿泊がないように1回戦で負けてほしい……」と泣く泣く考える関係者もいるかもしれません。それくらいの負担を関係者はしているのに、観客は無料だったって一体なんなんだ?

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