カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案が7月29日に参議院本会議で可決、成立した。今後、日本国内3箇所を上限にIRが作られることとなるわけだが、そこで大きな課題となるのがギャンブル依存症対策だ。
今回のIR実施法では、国内居住者に対し入場料6000円を徴収し、さらに入場回数を28日で10回までに制限することで、ギャンブル依存症の防止を図るという。しかし、これでは不十分だとの声も多く、まだまだ議論の余地はありそうだ。
そもそもカジノについてのみギャンブル依存症対策をしたところであまり意味がないという意見も多い。たしかに、日本には競馬、ボートレース、競輪、オートレースの公営競技に加え、パチンコ・パチスロといった街なかで気軽にできてしまうギャンブルがあるわけで、それらに依存する人もいるのだ。
都内に住む40代の男性会社員・ヤマモトさん(仮名)は、「自分はほぼギャンブル依存症」だと話す。
「いちばん多くお金を使っているのはパチスロ。次がパチンコで、あとはボートレースと競輪、競馬もやっています。大学生のときにパチンコをやるようになってから、ずっと今まで20年以上ギャンブルをやり続けています」(以下同)
ヤマモトさんは都内の映像制作会社に勤務。結婚はしておらず、都内の家賃8万円ほどのマンションに一人で暮らしている。銀行の残高は20万円程度だ。
「預金残高が50万円を超えたことはありません。毎月の給料は生活費とギャンブルでほぼ消えてしまいます。たまに競馬なんかで大きく勝つこともありますが、気づいたらなくなってます。勝つためにやっているつもりでも、楽しむ気持ちのほうが大きくて、まず勝てない。そんなことは重々承知でもやめられないんです」