「ホンマかいな!?」と思わず二度見するような発表をしたのは、鋭い経済論評で世界的に著名な英誌エコノミストの調査部門「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」だ。
2018年版の「世界で最も住みやすい都市」のランキングで、ウィーン(オーストリア)、メルボルン(オーストラリア)に次ぎ、大阪が3位にランクインした。しかも、2位のメルボルンにわずか0.7ポイント差で、昨年の14位から大躍進だ。
調査は「安定性」「医療」「文化・環境」「教育」「インフラ」の5項目、30指標を総合的に評価。EIUのアナリストやそれぞれの都市に駐在するジャーナリストなどの採点をもとに、世界約140都市をランク付けしている。ちなみに日本の首都・東京はカナダのトロントと同率の7位。ニューヨークとロンドンはあえなくトップ10圏外に沈んだ。
“首都ではない”大阪が高く評価された理由を、EIUリサーチャーのニキタ・シソーディア氏は本誌にこう語った。
「大阪は5つの項目すべてで高い評価を得た。他の都市と比べて犯罪やテロの脅威が低く、安定して治安がよい点や、公的医療制度が充実していることなどが主な理由に挙げられます」
“安定して治安がよい”といっても、大阪と言えばひったくりや強制わいせつの被害件数が全国最多という不名誉な記録がある。先日も、府警富田林署から、勾留中の樋田淳也容疑者(30)が脱走し、ひったくりを繰り返しながら逃走中(8月23日現在)という物騒なニュースもあったばかり。
「他の日本の都市と比較すると高い犯罪率ですが、近年では暴力犯罪や軽犯罪は減少していることも評価できます」(シソーディア氏)
と言うが、なぜ東京や横浜、京都、博多など日本の数多ある大都市をさしおいて大阪なのか。