当の大阪人はというと「友達の友達はスリに遭ったし、治安の悪さランキングの間違いちゃうか」(40代会社員)との“謙遜”もあるが、ほとんどが「当然や」と喜色満面だ。
「大阪は物価が安いから、ホンマに住みやすい。『たこ焼き』『お好み焼き』『きつねうどん』は東京に行くと上品な食べ物になって値段も倍になるけど、大阪人にとっては安い、ウマい、早いの3大ソウルフードやから」(50代公務員)
「ナニワのおばちゃんは人懐っこいし、子供でもボケとツッコミができる。どこにいっても吉本新喜劇を見ているようで、こんなにノリのいい街はないで」(50代の工具販売員)
調査結果をよく見ると、他の項目は高得点ながら「文化・環境」のみトップ10都市のうち9位なわけだが、それはさておき、世界3位が“ノリ”で取れるはずもない。
経済効果の試算で知られる関西大学名誉教授の宮本勝浩氏に尋ねると、「東京より上という結果に納得です」としてこう分析する。
「何より大阪は東京と比べて住居費が3~4割も安い。僕が若い頃に東京の大学からお誘いがあって“情報の中心で研究を進められる”と乗り気やったけど、家内が『こっちでは小さいながら一軒家に住めるけど、東京じゃマンションも買えない』と言うから断念したんです。
住居費の安さに加えて住宅地から市内の中心部までの通勤時間が30~40分と短く、東京のように2時間も通勤電車に揺られることがありません。地形的にも北摂山地や生駒山地、金剛山地や大阪湾に囲まれ、海風と山風でヒートアイランド現象が和らぐ。住みやすい街やと思います」
※週刊ポスト2018年9月7日号