昭和6年生まれのボーイフレンドからはよく戦争話を聞くものの、それでも話は話。体験者の彼と、聞き手の私の間は、どこまでいっても平行線で、近づくことはできない。東京都では追悼式に900人の参列を見込んでいたけれど、実際に参列したのはおよそ690人。都はその原因を「猛暑が影響した」とみているようだけど、私はそうは思わない。戦死者を悼み、参列するほどの“実感”を持っている人が減ったんだろうな、と思う。
“部活動の友”もこの夏に消えた
身近にも、平成最後の夏とともに消えたものがある。たとえば、1978年に誕生したかき氷器「きょろちゃん」（5400円、タイガー魔法瓶）。この夏で製造中止を発表すると、すぐに売り切れ、ネットでは定価の倍以上で取引されている。
くまさんの頭についたハンドルを回して氷を削ると目玉が左右に動くのがなんとも昭和。プラスチック製で、本体の色は橙、青、黄色の3色から選べる。毎夏、店先に並ぶたびに欲しくて足を止めていたのでよく覚えている。
台湾発のド派手なかき氷専門店「アイスモンスター」に行列を成す若者たちからすると、家で汗だくになりながらガリガリと氷を削って食べる夏休みの風景はもう過去のものなんだろうな。
“部活動の友”として子供たちの喉を潤してきた「さらっとしぼったオレンジ」（124円、ダイドードリンコ）もこの夏に消えた。20年以上続くロングセラー商品だったのにガッカリだ。炎天下、取材で歩き回った後に冷たい缶に唇をつけてごくごく飲むと、部活から遠く離れた私も疲れがふっ飛んだんだけどなぁ。
部活といえば、甲子園での、秋田の金足農業の活躍には同じく農業高校出身の私は大興奮。「よくやった！」の一言よ。だけどその裏で、野球漫画の金字塔『ドカベン』（『週刊少年チャンピオン』連載、秋田書店刊）が最終回を迎えた。
