所持品を把握できなくなり、同じものを買ってしまう
棚から物があふれると、「何を持っていて、何を持っていないか」が分からなくってしまう。
「たとえば気になる本を見つけても、それを持っているのかどうかがまったく分からない。買ってみたら、実はすでに買っていたというようなこともよくあります。完全にお金の無駄です」
持っていないと勘違いして買うならまだいいが、「持っている」のを知りながら、同じものをもう1回購入することもあるという。
「確実にその本やCDを持っていることは分かっているのだけど、どこにしまったのかが分からないという理由で、同じ本やCDを買うこともあります。さらにひどいときには、どこにしまってあるかは分かっているんだけど、その棚の前に別の本が大量においてあって、それをどかすのが面倒だという理由で、同じ本を買うこともあります。ちょっとした作業を怠けるために、同じものを買うという……。さすがにかなりの無駄遣いだと思います」
そして、買うだけ買って、未開封のままとなっているモノもどんどん増えていく。
「モノが増えすぎると、ひとつのモノに対する思い入れはどんどん薄れていって、とりあえず“買った時点で満足”ということになってしまうんですよ。だから買ったら買いっぱなし。1年前に届いたアマゾンのダンボールが開けずにそのままということもありました」
モノが捨てられない→モノが整理できない→同じものを何度も買うことになる。こんな悪循環のなかで生活しているA氏。健康にも悪影響があるようだ。
「モノを床においていると、とにかくホコリがたまるんです。しかも、モノが邪魔なので、掃除をするのも面倒になってきて、さらにホコリが溜まっていく。気づいたらアレルギーみたいな感じで喉が痛くなってきたり、咳が止まらなくなったりしています。不潔だとは分かっているんですが、どうしようもないんですよ……」
金銭的にも健康的にもデメリットが多そうな「捨てられない生活」。脱却するためには、まずは“あまりモノを溜め込みすぎないことが、総合的にメリットが大きい”という意識改革が必要になるだろう。