投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が9月10日~9月14日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は伸び悩みか。通商摩擦や新興国通貨安への警戒から、引き続き米ドル、日本円が買われやすい見通し。米連邦準備制度理事会(FRB)による9月追加利上げは織り込まれているが、金利上昇について金融当局者から慎重な意見も出始め、ドルの大幅高は想定しにくい。
北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の米国とカナダの協議が注目されており、合意形成は困難との見方が広がった場合、米中貿易摩擦激化への思惑から、世界経済の減速が懸念される。また、トルコリラや南アランドなど新興国通貨の不安定な値動きは引き続き警戒されており、リスク回避的なドル買いや円買いに資金が流入しそうだ。
一方、米国の8月消費者物価指数(13日)や同小売売上高(14日)など経済指標が想定に沿った内容となれば、年4回の利上げシナリオ(あと2回)が意識されよう。
ただ、セントルイス連銀のブラード総裁は5日の講演で、金融引き締めは中立的な水準に達したと主張した。当局者からの目先の金融政策に慎重な意見で利上げ打ち止め観測が広がる可能性もあり、ドルの極端な上昇は想定しにくい。むしろ、9月利上げがほぼ織り込まれているだけに、経済指標が予想を大きく下回れば過度な警戒につながるかもしれない。
【米・8月消費者物価コア指数(コアCPI)】(13日発表予定)
13日発表の8月消費者物価コア指数(CPI)は、25-26日開催のFOMCに向けた最終の点検材料で、想定通りなら9月利上げを織り込む展開となりそうだ。7月分は前年比+2.4%だが、8月のインフレ率は7月実績と同水準になるとみられる。数は+2.4%を示した。
【米・8月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表の米7月小売売上高は前月比+0.6%と、7月の+0.5%を上回る見通し。小売売上高はプラス圏を維持しており、8月も想定に沿った内容となれば拡大基調の維持を裏づけるだろう。