一見同じように見える招き猫の手の長さだが、耳より高い位置にあるか、低い位置にあるかで、これもまた、意味が異なる。
「手が耳より高い位置にあるものは、大きな福、遠くの福を招くとされます。反対に、手が耳より下の短いものは、小さな福、身近な福を招くとされています」
ほかにも、色の違いでご利益が異なり、白は「開運招福」、黒は「厄除け」「家内安全」、赤は「健康長寿」、ピンクは「恋愛成就」、金色は「金運アップ」などといわれている。
「猫が持っているのも小判をはじめ、鯛、打ち出の小槌などさまざま。デザインにルールはないため、どのようなご利益の招き猫が生まれるかは、作り手の発想次第なんです」
近年は、招き猫をテーマに作品作りをする芸術家もおり、縁起物としてだけでなく、芸術作品としての評価も高まっているという。
「猫の魅力は万国共通。日本だけでなく、海外からも注目されているんです」
招き猫はかなえたい望みに合わせて選ぶもよし、気に入ったデザインで選ぶもよし。信じる人にこそ、福を招いてくれるかもしれない。
※女性セブン2018年9月20日号