年金減額、医療費の不安、そして長生きリスク……。「現役時代に貯めたお金で悠々自適の老後生活」という人生設計が成り立たなくなる中、定年後の資産運用でその穴埋めを考えなければならない。
そうした“時代の要請”を受け、「定年後の資産運用セミナー」は活況を呈し、各メディアでも様々な金融商品が紹介されている。
だが、そうしたブームに乗って資産を減らしてしまうケースも少なくない。近著『投資バカ』が評判の経済ジャーナリスト・荻原博子氏が警鐘を鳴らす。
「金融庁のデータでは、金融機関の窓口で金融商品を買った人の46%が損をしています。投資のイロハもわからず、周りに急かされて資金をドブに捨てている。
特に、定期収入を年金に頼る世代の人が投資をする場合は、厳格なリスク管理を行ない、手を出してはダメな商品を避ける必要があります」
人生100年時代、定年後も人生は長く続く。何とか資産を殖やしたいところだが、投資にはそれぞれ適切なタイミングがある。それを間違えれば貴重なチャンスを棒に振ったり、かえってリスクを高めてしまう。
年齢ごとに「手を出してもいい投資」「やってはいけない投資」は変わってくる。“投資バカ”にならないためには、投資の“適齢期”を知る必要があるのだ。
※週刊ポスト2018年9月21・28日号