変わる東京を走り続けること70年。「はとバス」が今年の夏、70周年を迎えた。今日も都内を走り続けるはとバスのトリビアを4つ紹介しよう。
【変装した皇族が夜のコースにお忍び乗車】
1957年4月、大人気の「夜のお江戸コース」にお忍びで乗車した高松宮妃喜久子さま。身元がわからないようにネッカチーフなどで変装したものの、コース途中の上野の「鈴本演芸場」で身元がばれてしまったという。喜久子さまは著書『菊と葵のものがたり』(中央公論社)の中でこのはとバスの思い出に触れ、「四十一年前の、変装しそこないの夜のお江戸見物がなつかしい」と記されている。
【年間1000コースの一番人気は?】
はとバスは年間約1000コースを運行し、約120万人が利用している。人気第1位はオープンバスの1時間コース「TOKYOパノラマドライブ」で、年間利用者数は12万人(2017年度)に上る。
【ガイドのいないバスが運行していたことがある】
はとバス名物のガイドが不在のバスが2年間だけ走っていたことがある。1997年に導入された「ぐるり東京号」だ。プリペイドカード利用で、循環路線を自由乗降できる新しい試みだった。
【ガイドの出身地方は近畿が一番少ない】
バスガイドの総数は現在156人。その出身地方はダントツで関東が多く、次いで東北と九州が続く。大阪がある近畿は昔から少なく、過去には0人時代もあったという。
※週刊ポスト2018年9月21・28日号