「ほぼ毎日、1日5~6時間打って、月に20万~30万円勝っていました。私は実家が23区内にありましたが、親には『学校の図書館で勉強したい』と適当なことを言って、パチスロで稼いだお金で大学の近くに一人暮らしをしていました。
同級生は時給800~900円ほどでバイトをしていましたが、時給換算すると自分の方が圧倒的に高かったので、当時は調子に乗っていましたね。バイトなら嫌なことも色々ありそうですが、パチスロならイヤな客に頭を下げることもないですし、行きたくなければ家で寝ていればいいだけのこと。当時、“東大卒のパチプロ”がパチンコ雑誌で連載していて、『自分もこういう風になりたいな』と思っていました」
「大学を出て、年収が360万円って安くない?」
しかし大学を卒業する時期が近づいた時、友人に言われた一言でIさんはふと我に返ったという。
「最初は就職活動などしないで、このままパチスロで食っていこうと本気で思っていましたが、ある時、友人にそのことを話すと、『パチスロでいくら稼いでいるんだ?』と聞かれました。そこで私が『月30万円ぐらいかな』と答えると、『それ以上増える見込みはあるわけ?』『大学を出て、年収が360万円って安くない?』と言われたのです。
私はその時、4年ほどパチスロを打っていましたが、1日で一番勝った日で30万円弱でした。4号機時代にはそのぐらい勝てたのです。けれどもそんな経験は数回ですし、今後パチスロに投じる時間を倍にしても、収入が倍になるイメージはまったく沸きませんでした。そこで目が覚め、急遽就職活動を始めました」