短期のトレーディングで株価急騰を狙うのではなく、中長期でじっくり株価上昇を狙うのも株式投資の醍醐味。これまで、そうした手法で実績を重ねてきたグローバルリンクアドバイザーズ代表・戸松信博氏が、今後注目の銘柄を3つのテーマ別に解説する。
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【円安メリット銘柄】
ジャムコ(東証2部・7408)は旅客機用の化粧室・厨房設備で世界大手。米ボーイングとエアバスという2大航空機会社に納入実績を持ち、2015年3月期に史上最高益の達成を予想するなど業績は絶好調。円安が追い風となるのは疑いようがない。
ウェッジホールディングス(ジャスダック・2388)はタイでオートバイ購入時のファイナンス事業を行なっているほか、カンボジアでも同事業を開始。タイの政情不安などから株価は下落しているが、アジアの成長性とさらなる円安を見越せば、ここはチャンスと見る。
また、海外売上比率が100%の三井海洋開発(東証1部・6269)や同84%で食品や飲料容器の成形機メーカー・日精エー・エス・ビー機械(東証1部・6284)も注目だ。
【高成長・高ROE(株主資本利益率)銘柄】
成長率、ROEともに飛び抜けているのが、夢真ホールディングス(ジャスダック・2362)。建設現場の施工管理技術者派遣を手がける同社は、アベノミクスや復興需要などによる建設業界の人材不足が追い風。成長性はもとより、予想ROEも50%以上とダントツだ。
きちり(東証1部・3082)は、居酒屋や洋食店などを展開。今期こそ減益予想だが、各分野のリーディングカンパニーと提携して新たな店舗展開を図るなど事業拡大に余念がない。予想ROEも24.1%と高水準で長期的な成長も望める。
【中期経営計画で大幅な成長目標を掲げる銘柄】
ワールドインテック(ジャスダック・2429)は製造派遣・業務請負が主力で、中期経営計画によると、2016年12月期の営業利益が2013年12月期の2.36倍になるとある。
鮮魚専門店を駅ビルや百貨店に展開する魚力(東証2部・7596)は純利益を3年で約1.8倍、自動車用品の「オートバックス」や業務スーパー「サンセブン」などを展開するG-7ホールディングス(東証1部・7508)も国内や東南アジアで出店攻勢をかける中期経営計画を立てている。いずれも2年後には大きな果実が期待できるだろう。
以上、ここに挙げた銘柄は秋口からの反転攻勢に備えて、夏にかけて200日または50日移動平均線にタッチするような底打ちのタイミングで拾いたい。調整が続くなか、買い時を見誤らなければ、期待以上の大化けも狙えるかもしれない。
※マネーポスト2014年夏号