巨大な駐車場を備えた大型商業施設が幅を利かせるなか、このような商店街が生き延び、多くの人を集めていることは注目に値します。砂町銀座商店街の周辺を見ても、2008年には南砂町駅前に大型商業施設「SUNAMO」が、2010年には商店街から歩いてすぐの場所に大型商業施設「アリオ北砂」がオープン。しかし砂町銀座商店街がシャッター商店街になる雰囲気は微塵もありません。
こういった奇跡のような商店街がいまだに生き延び、ぶらぶら歩きを楽しみたい商店街として、他の街からも人を呼び込んでいることは、示唆に富んでいます。恐らくこれは、砂町銀座商店街には誰もが漠然と頭に思い浮かべる“商店街の原風景”が広がっているからではないでしょうか。人は本質的にノスタルジーには弱いもの。金太郎飴のように、どこを切っても同じような光景が広がる駅前の光景に違和感を覚えている人も少なからずいるのでしょう。
ちなみに南砂町駅の家賃相場は、ワンルーム・1K・1DKで7.55万円(ライフルホームズ調べ、9月11日時点)、大島駅は7.82万円(同)ですが、商店街まではそこからだいぶ歩くので、商店街付近なら家賃は軽く1万円は下がります。商店街には飲食店も多数あり、店で食べて良し、惣菜を買って家に帰るも良しの二刀流。この奇跡のような商店街がこの先も繁栄し続けることを願って止みません。