そんな中、東大はやっぱり別格かな、と思うのが自分の周囲の東大出身者を見ての判断です。とりあえず、現代の日本でも「東大です」と言った場合の「ハハーッ!」度合いったら半端ないです。以前、日本最西端・与那国島出身の現役東大の女子学生に会ったことがあるのですが、彼女が東大に島から初めて合格した時は島の新聞の一面を飾ったとのことです。
実際問題として、東大出身者の頭の良さは学生時代からも、社会人になって21年経った今も感じることは多いです。もしかしたらこれこそが「東大バイアス」であり世間が東大に対して抱くブランド価値なのかもしれません。しかしながら日本最高峰の大学である東大出身者は、とにかく一旦入学した後の選択肢が他の大学よりも多いと感じられます。
堀江氏は東大を中退していますが、中退理由については「入学しただけで表面的な価値を獲得したからさ。あとは用済み」と述べました。また、同氏は過去にヒッチハイクをした際、東大の学生証を見せただけで相手が安堵し、東大がもたらす価値について「とんでもないものを手に入れた」と感じたといいます。キャリア官僚で出世を目指すのであれば、最低限、東大を「卒業」する必要はありますが、堀江氏のように起業家になるのなら、とりあえず「東大に入った」という事実があれば十分でしょう。
大学に入った後、もっとも多くの選択肢が与えられている
そんな起業家はさておき、とにかく東大生って選択肢が多いんですよ……。多分それは世間が東大生を特別扱いしていることに加え、なんだかんだいって、開成や桜蔭、灘など大量に東大生を輩出する名門高校出身の選ばれし者や、全国の進学校の上位数名が集う大学という空気感が、たぶん他の大学とは違う。
大学に来なくなる学生が続出したり、試験の前は「シケプリ」(試験対策プリント)を共有してラクをしようと考えているものの、彼らは「とにかく東大卒業という肩書があればいい」という合理的な判断をしています。周囲を全国トップクラスの頭脳を持った者たちに囲まれ、それなりの知的な刺激を受け、いざ就活戦線へ。