「一夫一妻の哺乳類であっても、オスはメスの浮気の可能性が払拭できず、子供が本当にわが子かどうか確信できない一方で、メスにとって自分のお腹から生まれた子供は正真正銘のわが子です。だからメスがかわいい子供を熱心に育てることは、動物界では当然の行動です」
“オヤジ元気で留守がいい”ということだろうか。
母親が単身赴任のケースで子供の学力が低かった理由
肩を落とすお父さんも多いかもしれないが、安心してほしい。調査にあたったお茶の水女子大学文教育学部の浜野隆教授が語る。
「帰りが遅くなる父親は高学歴・高収入で、忙しく働いている可能性が高い。子供の学力が高いのも、単に父親の帰りが遅いからではなく、高収入の家庭だからだと考えられます」
前出・竹内さんも、「父親の遺伝子を引き継いだ結果ではないか」と言う。
「親の学力の遺伝的性質を子供が引き継いで、子供の学力も高くなるのだと思います。また、遅くまで仕事をして、高い収入を得れば塾などの教育費も捻出できて、学力向上につながるのでしょう」
今回の調査では帰宅時間とともに「単身赴任」が子供の学力に及ぼす影響についてもリサーチしている。その結果、父親が単身赴任の場合はそうでない場合に比べてやや学力が高く、母親が単身赴任の場合はそうでない家庭に比べて、子供の学力は低かった。教育ジャーナリストのおおたとしまささんが解説する。