9月20日、仮想通貨取引所「Zaif」に不正アクセスが発生し、ビットコインなど約67億円相当の仮想通貨が流出した。今年1月に「コインチェック」で580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が不正流出する事件が起こったこともあり、仮想通貨取引の信頼性が大きく揺らぐ事態が続いている。だが、仮想通貨業界では、セキュリティ面以外でも整備しなければならない課題が山積している。仮想通貨交換業者はどのような取り組みで取引の安全性を担保しようとしているのか。フィスコデジタルアセットグループ代表取締役でビットコインアナリストの田代昌之氏が解説する。
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ビットコインをはじめとする仮想通貨市場が再び活況を呈するようになるためには、仮想通貨取引の安全性が担保されることが条件となるだろう。
2018年4月23日に発足した「日本仮想通貨交換業協会」が、早ければ10月1日にも、金融庁から自主規制団体として認定される見通しとなっている。
日本仮想通貨交換業協会が自主規制団体として認められれば、現在はこの協会に加盟していない仮想通貨交換業者も、協会が策定した自主規制ルールを遵守することが求められる。それが徹底されれば、仮想通貨交換業者の社会的地位は少なくとも一段階は上がることになるだろう。
現在でも、仮想通貨交換業者においては、整備しなくてはならない問題が山積みである。中でも、利用者保護やマネーロンダリング(資金洗浄)対策に関する基本的なルールを遵守する姿勢が重要であるが、それが徹底できていない事業者も見受けられる。