健保連が昨夏に発表した試算は衝撃的だ。団塊世代が後期高齢者となる2025年には、実に380もの組合が「協会けんぽを上回る保険料率」に設定しないと運営が立ちゆかなくなるというのだ。つまり、7年後には全体の4分の1超にあたる健保組合が解散危機を迎えるというのである。
そうした危機的状況のなかで、誰よりも不安に苛まれるのは加入者たちだ。前出の日生協健保常務理事・神田氏はこういう。
「加入者である従業員の皆さんには、財政が厳しいことを率直に説明しました。やはり“解散による影響がよくわからない”という懸念の声が大きかった。協会けんぽに移行すれば、保険料率は下がる。ただし、その際に複数のデメリットがあることも、きちんと説明しています」
手元にある保険証が使えなくなる時、それによって生じる不利益は小さくない。
※週刊ポスト2018年10月5日号