安倍晋三首相(63才)が3選し、安倍首相とともに歩む「これからの3年」で私たちの生活は大きく変わることになる。老後の虎の子資金である年金も大きく姿を変えそうだ。
高度経済成長がスタートした1955年は現役世代11.5人で高齢者1人を支えたが、現在は現役世代2.2人で高齢者1人を支える。超高齢化社会が進めば、年金の財政が逼迫するのは避けられない。そのため、政府がまず目指すのは受給額のカットだ。
「すでに安倍政権は受給額を自動的に減らす『マクロ経済スライド』という制度を強化し、年金支給額の抑制を目指しています。これは物価や賃金だけでなく、年金の支え手である現役世代の減少や、平均余命が延びることなどを反映させる仕組みのことです」(生活経済ジャーナリストのあんびるえつこさん)
2015年の発動時には標準的な夫婦2人の世帯で年間約2万5000円ほどカットされた。来年以降、1~2%ずつじわじわと減らされる可能性が高い。
さらに、2021年4月から始まる年金の新ルールでは、物価か現役世代の平均賃金のどちらかが低下したら、年金支給額が引き下げられるうえ、物価と賃金のどちらもマイナスの場合、マイナス幅が大きい方に合わせて年金を減らされる。
さらに政府がもくろむ究極の年金抑制方法が「受給開始年齢の引き上げ」だ。
「現在の65才の年金受給開始年齢を段階的に引き上げ、国の支出を抑える狙いです。この先、政府は高齢者にできるだけ長く働いてもらい、最終的には70才での受給開始を目指すはずです」(あんびるさん)