実質自己負担2000円で全国各地の自治体から豪華な返礼品を受け取れる「ふるさと納税」は、返礼品競争に拍車がかかり、ブームが過熱。ついに返礼品を寄付額の3割以下の地場産品に限定するよう総務省から「待った」がかかり、大きな曲がり角を迎えている。
『年収300万円からのふるさと納税』などの著書がある経済アナリストの森永卓郎氏に「見直される確率が濃厚ないまこそ注目すべき品目」を聞いた。
「今回の総務省の方針は『3割以下』『地場産品のみ』の2大ポイントである以上、明らかに3割ルールを超過している返礼品はいつなくなるかわからない。早めに申し込みたい“有力候補”といえます」(森永氏)
目立つのは“返礼品の額”がはっきりしている金券類だ。たとえば大阪府泉佐野市の寄付額1万円に対して格安航空会社ピーチ・アビエーションで利用できる電子ポイント5000円分、和歌山県高野町の寄付額10万円に対して旅行ギフトカード5万円分などは「3割ルールを明らかに超過している返礼品が軒並み消えている中で、かろうじて残っている」(同前)という状況で、いつ取り下げとなってもおかしくない。
“返礼品の額”がはっきりしない飲食品も微妙な立場になる。佐賀県みやき町の牛サーロインや宮崎県都城市の焼酎なども市場価格と比較すると、明らかに3割超だ。総務省が「違反自治体」としてリストアップしている以上、今後見直しとなる可能性は低くない。
森永氏の協力を得て作成した別掲表のなかに含まれる東京・南青山の料亭ランチ券を返礼品とする佐賀県上峰町や、地元の温泉利用券を提供する群馬県草津町などでは9月中の見直しを表明しており、刻々と変化する流動的な状況だ。