事業者の不振は多くの都市で起きており、利益優先の企業が投資を渋って水道管の補修を怠るようなケースもあった。運営コストと資材の値上げを巡って紛争が起こったり、雇用カットによるサービスの質の低下も各地で見られた。
「今回、政府が改正案で推進しているのはコンセッション方式と呼ばれるものですが、事業運営権が民間企業に譲渡される可能性が含まれていることが問題だと思います。民間企業は利益を上げやすい大都市圏の水道事業にしか関心を示さず、利益の出にくい、地方の小さな自治体が取り残されてしまう可能性もあります。
料金に関していえば、現状の水道事業を維持するとなれば料金は必ず上がる。水質維持を考えても、料金値上げはやむを得ないと思います。ですので、単に値上げに反対するのではなく、自分の住む地域が水道事業でどんな取り組みをしていて、何にどうお金を使っているのかをふだんから意識し、知っておくことが大切だと思います」(橋本さん)
※女性セブン2018年10月11日号