そこで林さんが提案するのは、「銀行口座」を徹底活用する方法だ。ある調査によると、一世帯あたりの銀行口座数は平均でおおよそ「3つ」。半数以上の人が、「ゆうちょ口座1つ」と「メガバンク口座2つ」をとりあえず持っている。
ただ、多くの家庭では、口座を目的別に使い分けているわけではなく、ほとんどが「給与が振り込まれるメイン口座」と「カードの引き落とし口座」程度の使い分けしかしていないという。
「銀行口座を適当に使うのはもったいない。しっかり目的を持って複数の銀行口座を使い分け、『決まった支出は決まった口座の中から使うこと』を徹底すれば、お金の流れを可視化し、管理できるんです」(林さん、以下「」内同)
給料が振り込まれるメイン口座だけで家計を管理しようとすると、例えば住宅費や食費、通信費などに毎月いくら使っているのかがどんぶり勘定になり、無駄な支出が発生しやすい。
「給料が振り込まれたら、すぐに定額を引き出して、目的別に分けた複数の口座に振り分けてください。毎月“儀式”のようにそれぞれの口座にお金を振り分ける『黒字のシステム』さえ作ってしまえば、家計簿をつけて細かく家計管理する必要もなく、お金がみるみる貯まるようになるのです」
貯蓄口座は緊急時以外は手をつけてはいけない
黒字システムの作り方は、意外なほど簡単だ。
「毎月の支出を大まかに把握するため、最初の1か月だけは日々の支出を記録しましょう。大体把握できたら、【1】入金口座、【2】貯蓄口座、【3】引き落とし口座、【4】生活口座の4つを用意するだけです」
開設する口座はどこの銀行でもよい。とにかく口座が4つ揃ったら、あとは毎月、入金口座に振り込まれる給料を、3つの口座に振り分けるだけ。