東京・新宿副都心にあるビルの一室。スーツ姿の男性が熱弁をふるう。
「今から話す内容をしっかり理解すれば、同年代で上位数%に入る資産運用の知識が身につきます!」
一言一句聞き逃すまいと、身を乗り出してメモを取る中高年の参加者たち―。資産運用セミナーを主催するファイナンシャルアカデミーが2017年10月に始めた「定年後設計スクール」の授業風景だ。
ここは、同校の東京本社。2002年に「お金の学校」として設立され、これまでの受講者は延べ47万人にのぼる。
そんな「学校」が近年力を入れているのが、老後の資産運用法を求める人のための「家計・マネープラン科」「公的年金・自分年金科」など8科目、計24回の講義だ。
特筆すべきは、受講料(全24回)が23万8000円(税別)であること。決して安くない金額だが、同校取締役で「定年後スクール」の講師も務める渋谷豊氏は自信満々に語る。
「こうした資産運用セミナーには無料の講座が多いのですが、その目的は金融商品を売ることにあります。それに対して私たちがお教えするのは公正でクオリティの高い知識です。90歳を超えても使えるスキルなので、24万円の価値があると自負しています」
超人気の高額セミナーは何をどう教えるのか。全8科目のうち、最も参加者の関心が高いという「資産運用科」の内容を、普段の講義を元に本誌記者に向けて特別開講してもらった。