投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月1日~10月5日の動きを振り返りつつ、10月9日~10月12日の相場見通しを解説する。
* * *
先週の日経平均は下落した。2日に年初来高値となる24448.07円まで上昇したものの、その後は24000円台割れへの調整を見て、週間では4週ぶりの反落だった。1日に発表された9月日銀短観は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス19と、前回の6月調査より2ポイント下がり、3四半期(9カ月)連続の悪化となったことで、金融緩和政策の継続といった見方にもつながった。114円台に迫る円安基調も追い風に、1日の日経平均は続伸のスタートとなり、インデックス売買主導の上昇でザラ場の年初来高値を更新した。2日は、米国とカナダの北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉が合意され、NYダウの3日続伸を受けて日経平均も上昇した。一段高後は円安の一服もあって伸び悩んだものの、本庶佑京都大特別教授のノーベル医学生理学賞決定で関連銘柄の小野薬品工業<4528>が人気化したこともあり、日経平均は3日続伸となった。
しかし、2日に発足した第4次安倍内閣の組閣にサプライズはなく、イタリアの財政不安から円高となると、日経平均の9月半ばからの急ピッチな上昇が意識されて利益確定の売りが先行する展開に転じた。日経平均は5日にかけて3日続落と調整した。この間、イタリアの財政不安は収束に向かったものの、香港や韓国など休場中の中国市場を除くアジア株式市場が全面安となったことも影響した。一方、NYダウはNAFTA合意と好調な経済指標の発表から3日にかけて5日続伸したものの、4日は6日ぶりに反落した。米長期金利が7年ぶりの高水準となり売りが先行し、ナスダック総合指数も1カ月半ぶりの安値水準となっている。
今週の日経平均はもみ合う展開が予想される。日本時間5日21時30分の「米9月雇用統計」発表後における米金利、為替相場の動向が一つのカギを握る。金利上昇は、高バリュエーション銘柄の割高感を強めて売り圧力につながるほか、新興国通貨安などを通じて金融市場を再び不安定にする可能性が懸念される。
テクニカル的にも、日経平均は4日に5日移動平均線を割り込み、新値三本足も陰転したことで調整モードとなっている。低下してくる5日移動平均線を回復できない場合は、調整が継続する可能性がある。ただ、米金利上昇による調整は、今年前半に続き2度目であり耐性は高まっている。3連休を控えた5日にかけて目先の利益確定売りは、一巡している可能性がありリバウンドも試されるところ。