投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が10月8日~10月12日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は底堅い展開か。4日に約11カ月ぶりとなる114円55銭まで買われたが、欧米株安を嫌気してドル上昇は一段落となった。ただ、堅調な米国経済を背景とする利上げ継続のスタンスに変わりはなく、ドルが下落する局面では顧客筋、個人勢などの押し目買いが入りそうだ。
ドル・円は昨年3月以来となる115円が視野に入った。ただ、2017年には114円半ば以上の水準で何度か上昇を阻止されており、市場関係者の間では115円近辺は上値抵抗水準として意識されているようだ。また、9月27日から10月4日の1週間でドル・円は112円台半ばから114円台半ばまで円安に振れており、ドル上昇のスピードはやや速いとの見方もある。今週発表される経済指標が市場予想を下回った場合、利食いやポジション調整目的のドル売りが増える見通し。
イタリアの債務問題をめぐるイタリアと欧州連合(EU)の関係悪化や、欧州連合(EU)から英国が合意なしの離脱(強硬離脱)を決定する可能性は残されており、欧州通貨は引き続き買いづらく、主要通貨に対するドル買いが続くとみられる。
米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言も、ドル買い材料となる場合がありそうだ。パウエルFRB議長は講演で、雇用情勢の改善やインフレの上昇などを挙げ「際立った」米国経済の強さを強調し、引き締めの必要性を繰り返した。9月消費者物価指数や米10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値など経済指標が堅調な内容となれば、ドル売りはさらに後退しよう。
【米・9月消費者物価指数(CPI)】(11日発表予定)
11日発表の9月消費者物価指数(CPI)は、前年比+2.4%と8月の+2.7%を下回ると予想されるが、消費者物価コア指数は前年比+2.3%と8月実績の+2.2%を上回る見通し。市場予想と一致した場合は利上げ継続方針を後押ししよう。
【米・10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(12日発表予定)
12日発表の10ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は100.8と予想、9月の100.1を小幅に上回る見通し。信頼感指数は高い水準で推移しており、堅調な個人消費が確認できれば景気拡大への期待が高まり、ドル買い材料となろう。