パチンコ店でしばしば見られる開店前の行列。その行列の中には俗に「軍団」と呼ばれる、プロのような集団もいるという。パチンコ業界に明るい経済ジャーナリストA氏はこう話す。
「『軍団』とは一種のパチプロ集団のことです。基本的には1人から数人程度の“親”がいて、その下に“打ち子”や“引き子”が複数人いるというのがパターンです」
“打ち子”とは、親から軍資金をもらって、実際にパチンコやパチスロを打つ人のこと。“引き子”は朝の入店時の抽選を引く人のことだという。
「パチンコやパチスロを打つための軍資金はすべて親が出し、出玉も親が総取りとなります。その代わり、打ち子は時給1000円程度の報酬をもらうこととなります。打つ台などはすべて親からLINEなどで指定され、『〇〇円負けたらやめて待機』『〇時の時点で×××枚以上出ていたらやめて交換』など、細かい動きも指定されることが多い。いわば、親の代わりに打つのが打ち子です」(A氏)
一方、引き子はただ朝の抽選で並ぶだけだ。
「パチスロの場合は基本的に6段階の設定(数字が大きいほど勝ちやすい)があり、店側がどの台に高設定を入れてくるかはわからない。常連たちは高設定台を予想するわけですが、店側の設定の入れ方にもクセがって、朝イチには“高設定と思われる台”が取り合いになることもある。
店によってルールは様々ですが、人気店の場合は、たとえば開店前30分までに入店順番を決めるための抽選を行い、その抽選結果の順番で入店するというケースが多い。ここで早い番号を引ければ、高設定を予想している台に座れるということです。逆に抽選番号が遅ければ、入店した時点で空き台ゼロなんてこともありうる。つまり、軍団は早い番号を引く可能性を高めるために、“引き子”を雇って、何度も抽選する。引き子の報酬は1回1000円とか2000円ぐらいといわれています」(A氏)