10日に安川電機<6506>が今2月期の業績予想を下方修正してその後売られ、11日に好決算と増配を発表したファーストリテイリング<9983>が12日に材料出尽くし感から下げるなど、企業決算への期待感が後退し地合いの悪化を促していることは気になる材料だ。また、今週は、7-9月期GDPを始めとする中国の経済指標の発表が19日に集中していることが波乱要因として意識されそうだ。
一方で、米中協議の再開などの動きが一度出れば、反騰の起爆剤ともなってくる。ちなみに、中国税関当局が12日に発表した9月の対米貿易黒字は341億3000万ドルと、8月から拡大して過去最高となっている。中間選挙を控えたトランプ政権も、米国長期金利上昇と貿易摩擦に端を発した世界同時株安に対するハレーションの拡大を望んではいないだろう。また、12日の相場展開で日経平均が前日比プラスに転じるのに先行して、年初来の安値水準にあるジャスダック平均とマザーズ指数は反発している。波乱収束の片鱗ともいえる動きだ。
今週の主な国内経済関連スケジュールは、16日に9月首都圏新規マンション発売、9月訪日外客数、18日に9月貿易統計、黒田日銀総裁が日銀支店長会議で挨拶、地域経済報告(さくらレポート)、19日に9月消費者物価の発表がそれぞれ予定されている。
一方、米国を含む海外経済関連スケジュールでは、15日は米9月小売売上高、米10月NY連銀製造業景気指数、米8月企業在庫、16日に中国9月生産者物価・消費者物価、米9月鉱工業生産・設備稼働率、米10月NAHB住宅市場指数、17日に米9月住宅着工件数、米9月建設許可件数、9月25・26日開催のFOMC議事録、18日に米10月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米9月CB景気先行総合指数、19日に中国7-9月期GDP、中国 9月小売売上高、中国9月鉱工業生産、中国9月都市部固定資産投資、米9月中古住宅販売件数の発表が見込まれている。
このほか、国内外で予定されているイベントとしては、15日にEU加盟国(イタリア含む)が2019年予算案を欧州委員会に提出、16日に家電・ITの国際見本市「シーテック・ジャパン2018」(19日まで)、17日に「ワールドロボットサミット2018」(21日まで)、APEC財務相会合(パプアニューギニア・ポートモレスビー)が予定されている。