厚生年金というと「会社員が加入するもの」というイメージが強いが、一定の条件を満たせばパート主婦も加入可能だ。特に、2016年10月からは加入条件が大幅に緩和され、パートでも加入しやすくなった。具体的には、労働時間週20時間以上、月給8万8000円(年収106万円)以上、1年以上の雇用継続が見込められれば、誰でも加入できる。
つまり、時給1000円のパート主婦なら、1日4時間半を週5日間働けば、条件をクリアできるのだ。
働けば働くほど、年金額はアップして、それが死ぬまで続く。たとえば、月10万円のパートを1年間続ければ、年金は月額約550円アップする。3年なら約1650円、10年なら約5500円も増やせる計算だ。
ちなみに、厚生年金への加入は、60才を過ぎてからでも遅くない。
「厚生年金には70才まで加入できるため、60才以上の人でも働くことで年金を増やせます。シニア層の求人も増えているので、ぜひ検討してみてください」(北村さん)
60才を過ぎても「国民年金の任意加入」で年金を増やせる
国民年金は20~60才までの40年間加入すると、「満額の年間77万9300円」を受け取れるが、加入が遅れたり、期間に穴があくなどして、満額に満たない人も多い。加入期間が短ければ、それだけ受け取れる年金額は減ってしまう。
「本来、国民年金は60才までしか加入できませんが、受給資格を満たしていない人などのために、60才を過ぎても原則65才までは国民年金の加入期間を延ばす『任意加入』という制度があります」(北村さん)
仮に60才から1年間、任意加入した場合、支払う年金保険料は約19万円。女性の平均寿命である88才まで生きたと仮定すると、増える年金受給額は約46万円なので、およそ26万円も得する計算になる。