なお、賃貸契約書に「家賃の減額はしない」などが記載されていても気にする必要はありません。借地借家法で「近傍同種の建物の借賃に比較して不相当なときは、契約の条件にかかわらず、当事者は借賃の増減を請求することができる」と定められているからです。
現在の住居を貸し出す選択は避けたほうがよい
すでに住宅を購入している方は、ローンの借り換えを行うか、売却をして住居費を削減する方法があります。ローンの借り換えで一定の効果がでる目安は、「ローン残高が1000万円以上」、「固定ベースの金利差(現在の金利と借り換え後の金利の差)で、0.8~1.2%以上」、「ローンの残存機関が10年以上」です。インターネットのシミュレーション機能などを活用すると自動計算できますので、条件に当てはまる方は効果を算出してみるとよいでしょう。
借り換えを行なっても現在の住居費を25%程度の抑えられない場合は、住宅の売却も検討の対象になります。売却は手間もかかりますし、心理的な負担もありますが、住居費を抑えるためには大切な決断になります。売却してもローンが残る場合は、その金額を踏まえたうえで次の物件を購入するか、賃貸にするかを検討して、住居費を25%程度に抑えるように心がけたいところです。
なお、現在の住居を貸し出すという選択もありますが、長期的な視点からはあまりお薦めできません。先に伸べたように、今後空き家率が増加していく中で、借り手が見つからない、見つかっても空室になるリスクがある、あるいは家賃が減額していくなどの状況も想定されます。そうなると、安定的な収入は見込めなくなる点は留意しておきたいところです。
◆秋山哲(あきやま・さとし):1973年生まれ。ニューヨーク大学商学部卒業。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのマーケティング・ディレクター。個人投資家。20代で投資をはじめ、現在は株式の長期集中戦略を展開し、直近10年間で元本60倍の実績を残す。新刊『お金からの解放宣言』(かんよう出版)が話題に。