【特徴2】食材・調理へのこだわり
2つ目の特徴は調理への徹底的なこだわりです。王将の看板商品と言えば餃子ですが、主要食材(豚肉、キャベツ、ニラ、にんにく、生姜、小麦粉)はすべて国産。中でもにんにくは青森県産、小麦粉は北海道産と産地にまでこだわっています。
餃子は全自動成形餃子システムを導入したセントラルキッチンから各店舗に配送されるのですが、毎日配送され、冷凍保存は一切ありません。鮮度に非常に大きなこだわりを持っているというわけです。
さらに調理は各店舗のオープンキッチンで調理するスタイルで、調理の見える化を図っています。手作り調理にこだわり、顧客の細かいニーズにも対応します。
【特徴3】モチベーションの高さ
同社は全店を挙げてQSC(料理の品質(クオリティ)とおもてなし(サービス)、清潔な店づくり(クレンリネス))の向上に取り組んでいます。
社内教育機関である「王将大学」及び、調理技術の向上を目指した研修施設「王将調理道場」の新設、また「合宿研修」の復活など積極的な教育投資を実施。また有給休暇取得推進、適正労働時間促進、また月例給アップ、社会保険料拡充といった労働環境の整備も進められています。ちなみに、同社では店舗における正社員の数が平均3.8人と多く、アルバイトがメインで正社員は1名というところが多い外食チェーン業界で突出しています。
そして同社は社員の独立を積極的に支援している点にも注目したいです。その独立支援制度では普通フランチャイズで支払うとされるロイヤリティーも加盟料も発生しません。すでに200名以上の社員が「独立支援制度」を利用し、「経営者」となっているといいます。
こうした一連の取り組みが社員のモチベーション向上に繋がっていると推測されます。
ここまでエッジの効いた経営が出来ている企業はなかなか無いと思います。株価が上場来高値を更新し続けていることも、中長期的にまだまだ成長していける企業だと期待されている証拠と言えるのではないでしょうか。
【PROFILE】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しを配信するメルマガ「日本株通信」を展開中。