投資情報会社・フィスコが、株式市場の10月15日~10月19日の動きを振り返りつつ、10月22日~10月26日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落した。週間ベースでは3週連続のマイナスとなり、22000円台前半に調整を進めてきた。週初の東京株式市場は、米財務長官が日米貿易協議で為替条項を求める考えを示したほか、ドイツのバイエルン州議会選挙での与党大敗、サウジアラビア政府に批判的な著名記者が殺害された疑惑といった海外での悪材料が重なり大幅安となった。日経平均は前週末比で400円を超える下げとなり、終値としては8月21日以来の安値水準となった。
16日は急落後の自律反発を狙った買いが先行し、17日は主要企業の決算や堅調な経済指標を好感してNYダウが547ドル高と大幅反発したことを受けて日経平均も続伸した。しかし、日経平均で23000円近辺での戻り待ちの売り圧力は強く、18日は3日ぶりに反落した。9月貿易統計速報で、日本の輸出額が22カ月ぶりに減少したほか、為替報告書で為替操作国認定が見送られた中国で上海総合指数が下落したことも買いの手を鈍らせた。19日もNYダウの続落や米国金利の上昇長期化懸念と円高を嫌気し続落となった。
なお、15日まで6営業日連続で実施された日銀によるETFの買い入れは、16日から18日までの間は途切れていたが、19日は実施され、日経平均は大引けにかけて下げ幅を縮小させた。一方、NYダウは16日こそ長期金利の上昇一服などから大幅上昇したものの、サウジアラビア記者殺害疑惑による地政学リスク、小売大手シアーズの破産法11条の適用申請、FOMC議事録を受けて米長期金利の上昇局面が長期化するとの懸念などから軟調に推移した。
今週の日経平均は自律反発が予想されるものの、手控えムードが強い展開となりそうだ。米国長期金利の上昇長期化懸念を筆頭に、貿易摩擦による企業業績及び中国景気への警戒、ブレグジット交渉の難航とイタリア財政問題を抱えたEUの混迷とサウジアラビア記者死亡疑惑による中東の地政学リスクと外部要因で悪材料が重なり始めた。