家電「白物は○」「テレビは×」
過去の例を見ると、冷蔵庫や洗濯機といった白物家電は増税後も値崩れしにくいため、増税前の買い替えが得と考えられる。一方、テレビやパソコンは駆け込み需要の後に在庫がだぶつき、増税後に値下がりするケースが過去に相次いだ。また、テレビやパソコンはモデルチェンジが頻繁なため、「安く買いたければ、型落ちを狙うほうが賢明。その値引き分は増税分よりも大きいから」(節約アドバイザーの丸山晴美氏)だという。
旅行「チケット購入は○」「ツアー手配は×」
定期券、国内航空券や新幹線のチケットは増税前に支払いを終えていれば、来年10月以降に利用するものでも税率8%で済む。ただし、過去の増税時の例では、パックツアーは支払い時点でなく出発時の税率とする業者が多かった。
「来年10月以降に旅行するのであれば、自分で9月末までにチケットを購入して個人旅行を計画したほうが得になるケースが考えられます」(丸山氏)
日用品「薬は○」「トイレットペーパーは×」
食料品は軽減税率が適用されて8%据え置きとなるが、市販薬、酒、たばこなどは対象外となる。単価が高く保存が利くため、買い置きするメリットがある。
対してトイレットペーパー、洗剤などは「普段から値引きが行なわれているうえにかさばり、買いだめしておくメリットはない」と丸山氏はアドバイスする。前回は増税後の「還元セール」が規制されたが、今回は解禁される見通しだ。
「純金で得する」の真偽
純金の売買は消費税を含んだ価格の取引となるため、増税前に購入して増税後に売却すれば「税金の差額分得をする」という話は、増税のたびに話題となる。しかし、「これは誤解」と貴金属トレーダーで経済評論家の豊島逸夫氏はいう。
「金価格は、短期間で大きく動く。2%の税率の違いを考えても意味がない。少額の取引では手数料もかかるのでやめたほうがいい」
焦って損をしないための冷静な判断が求められる。
※週刊ポスト2018年10月26日号