「生涯現役社会」に名を借りた“年金支給先延ばし時代”が近づいている。安倍政権が進めようとしている年金大改悪で、年金の支給開始年齢が現行の65歳から68歳、さらに70歳以上へと引き上げられようとしており、受給者から年金を減らす一方で、保険料負担を増していく仕掛けがある。
迫り来る厳しい時代を生き抜く対策を立てるには、まず自分が置かれている現状を冷静に分析する必要がある。
例えば、「持ち家」と「賃貸」のどちらが得かは長く論争の的となってきたが、老後の年金生活に限れば、持ち家があるほうが有利だという指摘がある。ファイナンシャルプランナーの森田悦子氏が説明する。
「年金生活に入る頃にはローンの返済も終わっているケースが多く、月々の支払いに追われないことが最大のメリットです。毎月の支出が少なくて済むので、老後の生活設計に柔軟性が生まれます。
夫婦どちらかでも繰り下げ受給をすれば70代以降の年金受給額を額面で最大42%増やせます」
※週刊ポスト2018年10月26日号