具体的なケースを見ていこう。もし夫婦の平均の予測寿命が「77才以下」ならば、問答無用で、「繰り上げ受給」を選択するべきだ。
寿命が「95才以上」の長生き家系で、貯金が65才時点で2500万円を見込み、65才まで月収25万円以上で働くつもり、という夫婦の場合、「繰り下げ受給」をして、長生きのリスクに備えて年金を増やした方がいい。
「夫の年金があれば70才まで暮らしていける」という世帯であれば、妻の年金だけ繰り下げるという方法もある。その逆で、「60~64才で生活費が少しだけ足りない」という夫婦なら、妻の年金だけを繰り上げるのも手だ。「年金博士」こと、ブレインコンサルティングオフィスの北村庄吾さんが語る。
「繰り上げも繰り下げも、年金事務所への申請が必要です。また、どちらも一度請求すると、取り消しも変更もできません。慎重に検討しましょう」
年金は、あなたの選択で大きく変わる。政府に任せきりではなく、賢い選択が求められている。
※女性セブン2018年11月1日号