投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が10月29日~11月2日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は下げ渋りか。米長期金利や米国株式をにらみながらの取引となりそうだ。特に米国株は調整局面入りの可能性が指摘されており、再度大幅安となった場合はリスク回避の円買いが広がる展開となろう。ただ、ユーロやその他通貨に対するドル安が進行した場合、クロス円レートは下げ渋る可能性がある。
米10年債利回りは3%台の水準を維持しているものの、不安定な動向が嫌気され、NYダウなど主要株価指数が大幅に値を下げるケースが10月中旬以降目立っている。米企業決算の予想下振れも、株安の要因となる。
好調な国内経済を背景とした連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続方針に変わりはないが、株式市場の調整入りの観測から、利上げ期待のドル買いが弱まる場面も想定される。その影響で、主要通貨が対ドルで持ち直した場合、クロス円レートは上昇する可能性があるが、そのような事象がドル・円の相場動向に大きな影響を与える可能性は低いと予想される。
一方、トランプ大統領はFRBの引き締めに批判的な姿勢を強めており、中間選挙に向けヒートアップさせる可能性もあろう。現時点での影響は限定的だが、目先はドル売り材料として意識されよう。
【米・10月消費者信頼感指数】(10月30日発表予定)
10月30日発表の米10月消費者信頼感指数は136.2と、9月の138.4を下回る公算。ただ、過去データとの比較で相対的に高い水準は維持されることから、米国経済の拡大基調が示されればFRBの利上げ継続方針を後押しする材料となりそうだ。
【米・10月雇用統計】(11月2日発表予定)
11月2日発表の米10雇用統計は、失業率3.7%、非農業部門雇用者数は前月比+19.0万人と予想されているが、市場が注目している平均時給の上昇率は前年比+3.1%と2009年4月以来の高い伸びとなる可能性がある。市場予想に沿った内容なら12月利上げシナリオに変わりはなく、投機的なドル売りは抑制されるとみられる。