今、おむつや軽失禁用パッドなどの排泄ケア用品は、驚くほどの進化を遂げている。というのも尿もれは、高齢者だけでなく出産後、更年期などにも起こり、実は幅広い年齢層の悩みだからだ。
その対策商品として各社から続々と登場しているのが軽失禁用だ。吸水ケア用、軽い尿もれ用などとも呼ばれるが、薄いライナーからパッド、ナプキンタイプまで幅広く揃う。
さらに最近は軽失禁用のパンツタイプがボリュームアップ。各社とも“下着感覚”を強調し、下着のように動きやすく服に響かないように考慮されたデザインは、もはやおむつとは一線を画した“尿もれ世代のための新アイテム”といった感じだ。
介護用おむつでもパンツタイプが人気。自分で着脱できるので、療養中でもできる限りトイレまで移動して、排泄する意欲が湧くという。業界トップシェアのユニ・チャーム広報室の渡邊仁志さんは、こう語る。
「アイテムや商品数も増え、近年、大人用排泄ケア用品は右肩上がりに急成長しています。 当社ではお体の状態などに応じて排泄トラブルの症状を軽度・中度・重度と分類しておりますが、最近は症状の軽い段階から早めにケアをするようになったことで、特に軽度・中度向け商品を中心に市場が拡大。逆に寝た状態で使う重度タイプは微減傾向。尿もれがあってもケア用品を上手に使うことで、尿もれの悩みや不安なく、普段と変わらない生活を送っていただけると考えています」
そして売り場では男性用も目を引くようになってきた。
「4年前、各社の男性専用尿もれケア用品発売が相次ぎました。当然のことながらニーズは高く、今現在、男性用市場が7倍以上の急成長です」
かつては“おむつになったら終わりだ…”という声もあったというが、“積極的にケアしてアクティブに”へと明らかに時代は変わっている。