住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回「守谷(茨城県守谷市)」について、ライターの金子則男氏が解説する。
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2017年、日経BPが発表した「シティブランド・ランキング-住みよい街2017-」で、東京都武蔵野市、福岡県大野城市とともに1位に選ばれたのが、今回取り上げる茨城県守谷市。守谷は東洋経済新報社が毎年公表している「住みよさランキング」の2018年版でも4位にランクイン。「住みよい街」の実力はいかほどなのでしょう。
鉄道は長らく関東鉄道常総線のみでしたが、街を激変させたのがつくばエクスプレス(TX)の開業です。開業以前は、都内まで軽く1時間以上かかりましたが、つくばエクスプレスの開通により、都内まで1本で行けるようになりました。守谷駅にはすべての列車が止まり、秋葉原まで32分、北千住ならわずか22分です。
一方で、もともとは完全に車社会の場所だったので、道路状況は非常に整っています。すぐ近くには常磐自動車道が通っていて、都心へも楽に移動できますし、駅前を通る国道294号線、取手に向かう常総ふれあい道路など、道は全体的に広く、運転しやすいはず。強いて不満を言えば、利根川が行く手を阻み、対岸(=千葉県)に渡りにくいことぐらいでしょうか。新築のマンションも「1家に1台(ないしはそれ以上)」の駐車場を想定していることからも、車は必須であることがうかがえます。