年金受給前、あるいは受給中に不慮の死が訪れたら、残された家族のために「遺族年金」が支給される。だが、その額は、職業や収入、家族の有無などで大きく異なってくる。夫婦で年金を受給している場合、どちらかが亡くなったケースではもらえる年金額はどう変わるのか。夫からすれば、自分が先とばかり思っていたら、妻に先立たれるケースも少なくない。
専業主婦で国民年金に加入する妻が亡くなった場合、夫の収入が850万円以下で、かつ18歳未満の子供がいると、「遺族基礎年金」が支給されるが、年金生活を送る人たちはほとんど該当しないはずだ。つまり、亡き妻の年金は“全額カット”ということになる。
一方、会社員として働き、厚生年金に加入していた妻が亡くなった場合、夫は遺族厚生年金を受給する権利を得る。
ただし、その考え方は、妻が夫よりも稼いでいた場合のみ、妻の遺族厚生年金を受け取ることが有利となる。
現実的には夫が自分の「1階・老齢基礎年金と2階・老齢厚生年金」部分をもらい続けたほうが有利なケースが多いので、やはり妻の年金はまるまる“没収”となってしまうのだ。
※週刊ポスト2018年11月2日号