金融機関の候補が決まったら、口座を開設する前に自分に合った運用商品を置いているかを必ず確認しよう。
商品選びでも、まずは商品によって異なる「信託報酬(運用管理費用)」をチェックしたい。信託報酬とは、運用会社が投資信託を運用するためにかかる「手数料」のこと。イデコに加入している間はずっと払い続けるものなので、安い方がいいのは当然だ。
ただ、商品によっては少々信託報酬が高くても、その分手間や人手をかけて大きな利益を出すために作られた投資信託もある。どの商品がよいかは、表に専門家が注目する投資信託10本をまとめたので、参考にしていただきたい。
イデコを積み立てる年齢によって期待利回りを変化させる
商品選びで最も大切なのは、自分がどんな運用をしたいのかだろう。その際に重要なのが「期待利回り」である。
期待利回りとは、その商品を運用して長期的に期待できる「平均的な利益率」のこと。それが低い商品は、リスクは低く安定した運用ができるが、利益は小さい。逆に、高い商品を選べば、リスクは高いかわりに大きな利益を得られる。
イデコは、商品の入れ替えも配分変更も自在なだけに、どんな利回りの商品にいつまで積み立てるかが悩ましい。目安になるのが、イデコを積み立てるあなたの年齢だ。
「40代までは7%程度と高い利回りの商品でリスクを取っても問題ないと思います。リスクを取って大きな利益を狙えるのは、まだリタイアまでしばらくあり、多少失敗しても取り返せる時間が充分にある若い世代だけです。
50才頃になったら、利回り5%くらいの中程度のリスクの商品にして、55才頃には、大切な老後資金を安全に増やすため、利回り3%くらいに抑えての運用を検討してもよいでしょう」(吉井さん)