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ビル・ゲイツも絶賛 『ホモ・デウス』が描く「人類の未来予想図」とは

機械に支配されてしまう?

【ポイント3】人間はAIにデータを提供するだけ!?

 すでに渋滞予測機能がついたカーナビは存在するが、今は道を決めるのは運転手だ。だが将来、多くの自動運転の車に搭載されたナビが、同じ目的地に向かう人に別の道を指示して渋滞を回避する世界がやってくれば運転手は本当の情報を知ることすらできなくなる。ジャーナリストの佐々木俊尚氏はこう説明する。

「この本では、人間と機械の関係性がどんどん変わっていることが示されています。日本ではまだ、ITを“人間が使う道具”としかとらえない人が多い印象ですが、むしろヒトの手足と融合して“人間の一部”になるような方向に進んでいるわけです」

【ポイント4】それでも人間に希望はある

 ただ、絶望だけではない。

「興味深いのは、ラストの手前までは“人間がデータに支配される未来”の到来を予感させる内容なのに、最終章でハラリ氏がそれをひっくり返しているところです。未来を予測し、常に学んだり自分を知ろうと努めたりしていれば、選択肢も広がる。最終的に、AIと人間の関係はどうなるかわからないし、何か違った関係のあり方が見えてくるかもしれない。結論は、そんなふうに楽観的に締めくくられています」(同前)

 予測不能な未来がくるからこそ、考え続けることが大切―まずは、『ホモ・デウス』を手に取ってみるのがいいのかもしれない。

※週刊ポスト2018年11月9日号

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