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進化する「観光ガイドブック」 有名人起用で“聖地巡礼”需要も

観光ガイドブックをもらうために旅に行くファンも

 観光ガイドブックはもともと旅を一層楽しむためのアイテムだが、ガイドブックそのものをもらうために旅行をする人もいるという。

 石川県加賀市の「加賀温泉郷」では、アイドルグループ・モーニング娘。’18の加賀楓を「加賀温泉郷観光大使」に起用、無料で配布しているガイドブックでもメインキャラクターとして表紙のほか、誌面全体にわたって登場している。この加賀楓のガイドブックを求めて加賀温泉郷に足を運ぶモーニング娘。のファンが増えているというのだ。芸能ライターの大塚ナギサ氏が説明する。

「加賀楓さんは東京都出身ですが、名前が“加賀”ということで、ファンが加賀さんの写真を使ってオリジナルの加賀温泉郷のポスター画像などを制作し、SNSにアップしていたんです。そこから火が点く形で、実際に加賀温泉郷のポスターに起用されたという経緯があります。加賀さんが表紙を飾るガイドブックは、東京にある石川県のアンテナショップでも配布されていますが、せっかくなら現地に行きたいと、実際に加賀温泉郷に行くファンは多いですね。ある意味“聖地巡礼”という感覚もあるのでしょう」

 有名人をガイドブックに起用することのメリットは大きいという。

「今はスマホであらゆる情報を得られるので、観光地の情報を知るという意味でのガイドブックの需要は減りつつあるといえるでしょう。しかし、有名人を起用したガイドブックを作れば、そのファンが訪れてくれる可能性が出てくる。観光に関する情報だけでなく、ガイドブックそのものに新たな価値を与えることで、本来の旅行客ではなかった人々も呼び寄せることができるのです。加賀温泉郷の場合は、現地に加賀楓さんの等身大パネルが設置されていて、それと写真を撮るだめだけに加賀温泉郷に行くファンもいるくらいですから、宣伝の効果は高いと言えるでしょう」(大塚氏)

 観光ガイドブック愛好家にも楽しまれ、ガイドブックに登場する有名人のファンも喜び、そして観光客誘致の成果も期待できる──。観光ガイドブックの存在価値は想像以上に大きいのだ。

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