日本全国を旅してみたいけど、時間もないし、お金もないし……、そんな人でも楽しめるのが「観光ガイドブック」だ。その魅力はどんなところにあるのか。30代会社員の女性Aさんはこう話す。
「自治体とか観光協会が作って無料で配布している『観光ガイドブック』を集めるのが趣味です。最近は観光ガイドブックもどんどん豪華になっていて、書店で売られている雑誌と同じくらいのクオリティーのものや、写真集のようなものまである。東京に住んでいてもアンテナショップなどに行くと、たくさん配布されていて、それを持ち帰って眺めるのはとても楽しい。お金をかけずに旅に行った気分になれるので、安上がりな趣味だと思います」
観光ガイドブックといっても、その地域の観光名所などが紹介されているだけでなく、様々なテーマで趣向を凝らしたものも多い。
たとえば広島県は2014年に『泣ける!広島』として、“泣ける”とテーマとした観光ガイドブックを制作した。表紙と巻頭には広島県出身のPerfumeを起用し、撮り下ろしのグラビアやインタビューを掲載。初版5万部があっという間になくなり、増刷もかかったという。
また群馬県桐生市の観光ガイドブックは、中身こそ普通の観光名所を紹介するものだが、表紙には桐生市出身で桐生市観光大使の女優・篠原涼子の写真が掲載。ファッション誌のようなスタイリッシュなその表紙はかなりのインパクトだ。
「全体的にとても個性的なガイドブックが増えている印象ですね。観光名所について知りたいということだけでなく、どんなガイドブックを作っているのかということ自体も興味の対象です」(Aさん)