しかし、入院が数か月にも及べば、毎月9万円弱が重なることで、治療費が多額になると心配する人もいるだろう。
「最近は入院が短期化しているため、かかっても負担額はせいぜい10万~20万円ほどです。実際、私自身が足の手術で入院した際も、14日間の入院で実際にかかった医療費の総額114万円に対し、高額療養費制度を活用して14万円ちょっとで済みました」(長尾さん)
厚労省によれば、1990年の平均入院日数は44.9日だったのが、2014年には31.9日まで短縮化している。35~64才の現役世代に限れば24.4日(2014年)である。
大手生保の保険で賄う場合で見てみよう。入院給付日額5000円、手術給付10万円、先進医療特約付きの終身医療保険の場合、40才女性の月額保険料は2000円ほど。10年で24万円、40年で100万円弱かかる計算だ。
一方、長尾さんのように手術を受けて14日間入院したとすると、給付金は17万円だ。その程度ならば、保険料を払わずに貯金していれば充分に賄える。よほど手術の回数が多くない限り、保険に加入するメリットは少ない。
「最近、女性特有の疾病リスクに備える『レディース保険』が積極的に販売されています。女性特有の病気は給付が上乗せされますが、女性特有の病気だからといって医療費が倍になるわけではなく、高額療養費制度を活用すれば自己負担の限度額で済みます。わざわざ上乗せして加入する必要はありません」(長尾さん)
※女性セブン2018年11月15日号