その点、孫正義は企業に『政府に頼るな』と言い、既得権益の開放をめぐっては『自分は政府と喧嘩ばかりしていた』と言い放ってきた。孫氏なら“何かやってくれる”という期待感が生まれるのは当然です」
事実、孫氏は経団連の名だたる代表的企業とは一線を画す経営手法と経営哲学でソフトバンクを時価総額9兆円超(国内第3位)の企業に成長させてきた。
先日発表されたトヨタ自動車との合弁会社設立も、豊田章男社長が孫氏の元へ出向き、提携を持ちかけた。
「社長経験者が経団連の歴代会長に名を連ねる『世界のトヨタ』からすれば、ソフトバンクのような“一代企業”は、長く格下扱いしてきた存在のはず。豊田社長から協力を仰いだとすれば、財政界で孫氏の存在がそれほど無視できない存在になっていることの証左ではないか」(経済誌記者)
※週刊ポスト2018年11月16日号