投資

100円から買える投資信託 コツコツ積立投資が人気の背景

 投信を100円単位で購入できるのはSBI証券や楽天証券、松井証券、マネックス証券などのネット系が中心。

 パソコンなどを通じて証券口座開設を申し込み、マイナンバーカードなどの本人確認書類をオンライン上で登録すれば、最短で翌日から取引が可能となり、投資対象となる投信を決めていく流れになる。SBI証券執行役員投信・債券部長の橋本隆吾氏はこう説明する。

「当社で扱っている約2600本の投信のほぼすべてが100円から買えるようになっています。各投信が投資対象とするのは国内外の株式や債券、リート(不動産投資信託)など幅広い範囲に及んでいます」

「非課税枠」をフル活用できる

 もちろん、投信を100円だけ購入しても、年利5%として、1年で5円しか運用益が出ない。そこで、毎月決まった額を購入していく「積立」が基本となる。前出・深野氏によれば、「とくに始めたばかりの人には適している投資法」だという。

「投信は元本保証の商品ではありませんから、儲けが出ることもあれば損することもある。まずは毎月100円ずつの積立から始めてみて、投資にリスクとリターンがあることを体感する。その上で、積立額を500円、1000円と徐々にステップアップしていくわけです」

 こうしたコツコツ投資の人気は広がっており、SBI証券では「毎月の積立額が1000円以下の口座が1万数千ある」(前出・橋本氏)というのだ。

 少額を長期間にわたって積み立てる投資に注目が集まる背景には、制度の拡充も大きい。年間120万円までの投資が5年間非課税で運用できる「NISA(少額投資非課税制度)」や、年間40万円までの積立投資が20年間、やはり非課税となる「つみたてNISA」の存在だ。

 こうした新制度と、100円から購入可能となった投信を組み合わせることで、より効率的な投資も可能となった。

「たとえば、つみたてNISAの非課税枠(年間40万円)をギリギリまで活用できるよう、毎月の積立額を3万3300円に設定するといったやり方も、100円単位で投信が買えることによって可能になります」(深野氏)

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