下がった時こそ多く買える
100円投信の利点は、少額での「分散投資」が容易になるところにもある。
「リスクを抑えつつ、世界経済全体の成長を享受するためには、投信の種類を『国内株式』『国内債券』『海外株式』『海外債券』の4つに分散し、さらに海外の株式・債券を先進国と新興国に細分化して6つに分ける組み方がオーソドックスです。
仮に投信が1000円ずつしか買えなければ、毎月6000円(=1000円×6商品)以上の資金を投じないと分散投資ができなかったわけですが、100円単位から買えるようになって、もっと少額でも始められるようになった」(深野氏)
積立投資は、毎月一定の金額で購入を続けることで、値下がりした時はより多く買えるようになるメリットもある。
「自動的に高値掴みを防ぎ、安いときに多く買えるわけです。重要なのは、一度ルールを決めたら簡単には変えないこと。今のような急落局面では、つい投資をストップしたくなりますが、むしろ同じ投信を割安で購入するチャンスなのです。100円投信を活用した少額積立投資では、“果報は寝て待て”という気持ちでいることが大切です」(深野氏)
老後資産形成への不安が増す中で、長期間続けることを前提とした投資の新潮流を学んでおくことの意味は、どんどん大きくなっている。
※週刊ポスト2018年11月16日号