それは、私自身の経験でも薄々感じていた。時間をかけて資料を調べ、新事実を発見して、いままでどこにも存在しない主張を盛り込んだ力作を発表してもほとんど売れないのに、数日間で簡単に作った本が、結構売れてしまうのだ。肩に力が入っていないから、読みやすいのだろう。
本書には、お金に困る人の特徴がずらりと並んでいるが、私も一つ、判定基準を加えようと思う。本書を数時間で読了できない人は、お金に困る人だと思う。こんなに読みやすい本を何日もかけて読むということは、読書に関しても、相当、要領が悪いからだ。
※週刊ポスト2018年11月16日号