単なる所有では得られない、特別な時間や体験、思い出、人間関係などに価値を見出すようになって久しい中、ライブやトークショーと並んで、講演会が人気を集めている。ジャンルは政治・経済のようなお堅いものから、美容・健康までさまざまで、中には「聴いた人の人生を変える」といわれる超人気の講演会もある。
日本最大級の講師情報ウェブサイト「講演依頼.com」を運営するペルソンの営業部・土橋昇平さんが話す。
「弊社では7700人以上の講師と契約を結び、年間約2500件の講演会を開催しております。講師の登録は、ニーズが高いと思われるかたにこちらから声をかける場合と、弊社に登録の申し込みがある場合があります。
テレビや雑誌でよく見かける有名人にはそれなりのオファーがありますが、実はネームバリューだけではなく、本当に面白い話をする人こそニーズが高く、上位にランキングされます。そういうかたの多くは、自著がありますが、本の内容はあくまでもエッセンスに過ぎません。そこからさらに踏み込んだ、リアルで生々しい話をするからこそ人気なんです」(土橋さん)
そのランキングを見てみよう。1位の鈴木政次さん(M.ソリューション代表)は、赤城乳業の元常務取締役開発部長で、コーンポタージュ味やナポリタン味などで常に話題を呼ぶアイス『ガリガリ君』の育ての親。商品開発の苦労や裏話を話し、依頼数は年100回を超えることも。
2位の夏川立也さんは落語家の桂文枝に弟子入りし、活動していた元芸人。得意の話術でコミュニケーションの大切さについて語る。3位の大越章司さん(アプライド・マーケティング代表取締役)はWebのセキュリティーについて、同じく3位の奥村幸治さん(NPO法人ベースボールスピリッツ理事長)はイチロー選手のバッティングピッチャーを務めていた頃の経験を生かして目標達成のセルフマネジメントについて教える。
孫正義さんの参謀と呼ばれた5位の嶋聡さん(多摩大学客員教授)は経営者に学んだ知識を披露し、同5位の門倉貴史さん(BRICs経済研究所代表)は経済について語る。7位の古賀稔彦さん(柔道家)は、スポーツ選手のモチベーションについて話す。