住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「浅草(東京都台東区)」について、ライターの金子則男氏が解説する。
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2000年代には数百万人だった訪日外国人客数は2010年代に入って急増し、2017年には約2800万人へと激増。今や都内を歩けば、街は外国人だらけです。そんな外国人たちがこぞって目指す場所の1つが浅草。国際都市・東京の観光の表玄関は、“住む街”としてどうなのでしょうか?
鉄道は東武鉄道、東京メトロ・銀座線、都営地下鉄の浅草線、つくばエクスプレスの4線です。ただし、各々の乗り換えの便は今ひとつで、特につくばエクスプレスの「浅草駅」は完全に別の場所にあり、初めての乗り換え利用者は戸惑うこと必至。なぜ別の駅名にしなかったのか、理解に苦しむほどです。銀座線は始発駅なので、銀座、新橋、日本橋、渋谷など、東京の中枢を成す駅まで座って通えるのは大きな魅力です。
道路状況は、23区内にしては良いほうではないでしょうか。水戸街道(国道6号線)や日光街道(国道4号線)に近く、隅田川を渡れば首都高にもスムーズに乗ることが出来ます。ぜいたくを言えば、東名高速や中央高速などで西に向かうには都心部をまるまる横断しないと行けないので、渋滞でイライラするのは必至。車で向かう方面はある程度限られそうです。