「困った時はもちろん、子供の入学など人生の転換期でも活用できる制度は意外とある」というのは、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さん。申請するだけで国や自治体からもらえる給付金・一時金・控除は少なくないのだ。
ここでは、自然災害時にローン残債が免除あるいは減額となる「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」について解説しよう。
一般社団法人全国銀行協会が主導するこの制度は、災害援助法が適用された被災地域に住み、住宅ローンや事業者ローンを抱えているのに、住居や事業所が被害を受けた被災者向けのもの。手元にお金を残したままローンが減免される可能性がある。
「国による災害援助法などによる支援では通常、家や事業所が被害に遭っても、これまでのローンを払いながら、新しい住居費も確保しなければいけません。しかし、この制度を使えば、債務整理ができ、ローンの負担が減らせます」(風呂内さん・以下同)
まず、最も多額のローンを借りている金融機関に行き、同制度を使いたいことを相談。財産や収入、返済期間など、一定の要件を満たしていて、金融機関の同意が取れたら、弁護士会などに相談して債務整理手続きをする。弁護士会の登録支援専門家による手続き支援は無料で受けられる。
「この制度を使って債務整理しても、個人信用情報として登録されないので、再びローンを借りる時に影響を受けません」